わたしは栞を挟まない|よつばの読書ブログ

百花/川村 元気【レビュー】

★★★

冒頭、公園のブランコに腰掛け揺れている百合子のシーンから最後まで絶えず脳内映像が流れていた。

日中はピアノ講師、夜はパートの仕事、女手一つで息子の泉を育てあげた百合子だが60代でアルツハイマー型認知症と診断される。

徐々に息子を忘れていく母
美しく自慢だった母が少しづつ記憶を失って行く様を受け止めきれない泉
それぞれの心情が切ない。

そして母が息子に迷惑を掛けないように記すメモ書きに胸が苦しくなる。

人生100年時代となり、いつ誰の身に起こってもおかしくない物語。

出来る事なら私は最後まで家族の事を忘れないでいたい。




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