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美しい顔/北条 裕子【レビュー】

★★★

第61回群像新人文学賞受賞作品。

152ページの中編だが2011年3月11日の東日本大震災を元に描いた小説と言う事で読了までに気力と体力が必要だった。

7歳の幼い弟と共に避難所に身を寄せる17歳のサナエが主人公。
物語はサナエの一人称で進んで行く。

「かわいそう」を撮る為にカメラを向けるテレビ局関係者。
サナエが感じる「報道はフィクションなんだ」の言葉が胸に重く伸し掛かって来る。

尋常ではない環境の中で歪んだ高揚感とほの暗い感情を抱くサナエの心理描写が秀逸。

もしも~だったらとエンドレスに続く後悔の気持ちに涙腺が緩む。




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