わたしは栞を挟まない|四つ葉の読書ブログ

絶歌/元少年A【レビュー】

この本の初版発行日が2015年6月28日です。

本の発売を知った物の、自分で購入する気は起きず図書館にリクエストカードを提出したのが2015年6月11日。
早めにリクエストしたにも関わらず、一向に連絡がないので図書館に問い合わせをした所市で審議中と返事を頂き、更にその数カ月後に1冊だけ入荷、順番が回って来たのが翌年の7月5日と約1年以上掛かりました。
市で審議されたと言う事実に、やはりこの本が問題視されている事と影響力の強さを感じました。

本の冒頭で自分の事をクラスで、いてもいなくても気付かれないカオナシと表現する少年Aですがそこから想像した何のとりえもなさそうなイメージとは異なり文章自体は癖がある物の、内容は別として読みやすさはあり、頭の良い印象を受けました。

第一部・第二部で構成されており第一部には事件から審判まで、又祖母との関係性など第二部では少年院を出てから現在までの過程が書かれています。

一部では比喩が多く
「カタツムリになり損ねた、自分を守る殻を持たないナメクジだった」
「勤勉な郵便配達人のように花から花へと花粉を届ける健気なモンシロチョウ」など
各ページ毎に出て来る比喩の多さに、ウンザリしました。

この本は被害者ご家族への懺悔と悔恨の内容だと思い込んでいましたが、
一部を読む限り、ナルシスティックの小説を読んでいる様で頭を捻りました。

猫殺し、淳くん殺害に関しても、残忍極まりない行動を冷静に記憶し表現していて
まるで別の誰かが行ったかの様なフィクション小説を読んでいる錯覚に陥りました。

二部では6年5ヶ月間の少年院生活を終えて、社会に適応しようとする少年A
またAをを救おうとする人達との触れあい、そしてようやく自分が行った事に対しての後悔が綴られています。
大変な事は解るし、努力している事も解る、でもそれはやはり当然の報いだとしか思えません。
何の罪もない大切な二人の命を突然奪って、普通に暮らせないのは当然です。

Aが最後に
>この本の中に皆様の「なぜ」にお答えできている部分がたとえほんの1行でもあってくれれば
と書いていますが、全て読み終えて本を閉じた瞬間、大きなため息しか出ませんでした。

Aの両親、2人の弟たち、家族関係に何も問題もなさそうで
クラスで目立たない存在だったと言っても、そんな子供なんていくらでもいるでしょう。
祖母の死が原因とも思えない。
又頻繁に行っていた猫殺しを家族が誰も気付かなかったのも疑問です。
その時点で、早い段階で気付いていればその後に続く事件が起きなかったのではないか?
など疑問は増すばかりでした。

なぜ、あんな残虐な行為が出来たのかも疑問ですが
被害者家族に無断で出版、自分がこの本を書く事が自己救済だと言い切る神経も理解不可能でした。
少し想像すればこの本の内容が耳に入れば被害者家族がどれだけ辛いか理解出来るはずです。

人間誰しも過ちや失敗はありますし私も自分にも人にも甘い生活を送っています。
しかし失敗を重ねて学習して行くとは言え、私が淳君、彩花ちゃんの家族であったならば一生恨みは消える事はないと思います。

なぜ?に対する回答は得られませんでしたが少年Aには想像力を養ってこれからは本当の意味での償いをしていって欲しいと感じました。




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