わたしは栞を挟まない|よつばの読書ブログ

わたしの結び目/真下 みこと【レビュー】

★★★

帯には「女の子同士の友情」とある。
友情とは相手の立場を尊重し思いやる心。
その意味で言えば、この物語に登場する女の子達に友情は一切存在しない。

自分が孤立しないように、相手に執着し束縛、意に添わなければ汚いやり方で陥れる。
狂気すら感じる独占欲はイヤミスを通り越してまるでホラー。
教師も親も生徒達も、皆どこか歪んでいて、共感出来ないどころか胸が悪くなる。

学校生活だけが全ての多感な時期とはいえ、閉鎖的な空間に漂う悪意の渦に飲み込まれそうになった。

そして陰鬱な展開のまま迎えたエピローグ。
ラストに呆然。
誰も救われない。




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