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紅蓮の雪/遠田 潤子【レビュー】

★★★★

禁断、禁忌、この言葉が脳内を駆け巡る。

真相が明らかになるに連れ絶望と怒りとやるせなさ、様々な感情が押し寄せ打ちのめされる。

子を愛せない親がいる。
物語に登場する双子の姉弟も父母、双方から愛情を受けず互いを唯一無二の存在だと信じ寄り添って生きて来た。

けれども突然の姉の自死。
死の真相を探る為、大衆演劇の世界に身を投じた伊吹を待ち構えていたのは驚愕の事実。

『親の因果が子に報い』
親の罪を子に背負わせるなんてそんな馬鹿げた話はない。

猛火の炎の色を意味する紅蓮が鮮やかな血の色と重なり、妖艶で淫靡な遠田劇場に魅入られた。




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