わたしは栞を挟まない|よつばの読書ブログ

9月9日9時9分/一木 けい【レビュー】

★★★

ヒリつく。

バンコクからの帰国子女で高校生の漣が主人公。
感情を露わにしたり怒りを撒き散らす事がないタイの人々と日本人とのギャップ。
そんな生活に馴染めない中で出会った相手は好きになってはいけない人だった。

彼と家族との板挟み、これはキツイ。
それもDV絡みとなると尚更だ。

若さ故の傲慢さから発せられる漣の言葉は棘となって周囲の人間の胸に突き刺さる。
それでも姉を想い、悩み葛藤しながら成長して行く姿は眩しい。

「私は、ほんとうにしたいことではなく、正しいことを選んだのだ」
文中の言葉が沁みる。
他者と生きる事は容易ではない。




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