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死の島/小池 真理子【レビュー】

★★★★

アルノルト・ ベックリンの代表作『死の島』
棺らしきものを載せた一艘の小舟に白装束の人間が乗っている、海を漕いで向かう先に見えるのは不気味な死の島。

主人公は不治の病に侵され、余命いくばくもない69歳の澤登志夫。

澤が死の島へ向かい、自身でオールを漕いでいる様な本作は沈鬱さに満ちている。

読んでいる間、私より先に逝った家族や友人の姿を思い浮かべ何度も鼻の奥がツーンと痛み涙が零れた。

澤の企みが尊厳死と言えるのか分からない。
願わくば霊魂や魂の存在を否定していた澤が島に辿り着き自身の考えを豪快に笑い飛ばしていて欲しい。




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