わたしは栞を挟まない|よつばの読書ブログ

窮屈で自由な私の容れもの/蛭田 亜紗子【レビュー】

★★★★★

「ブルーチーズと瓶の蓋」
「教会のバーベルスクワット」
「保健室の白いカーテン」
「森林限界のあなた」
「コンバッチ!」
五話収録の短編集。

全話趣が異なりとても良かった。

女性達が抱える不安や孤独、痛み、自分と境遇は違えど、どの感情にも覚えがあり共感の連続だった。

人生のままならなさ。
生き辛さ。
その時々の瞬間を鮮やかに切り取って、時にリアルに時にドラマチックに落とし込む。

甲乙付け難いが特に印象に残ったのは哀しみの余韻が続く『教会のバーベルスクワット』『森林限界のあなた』。

R-18文学賞出身の作家さんの作品は心に刺さる。




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