わたしは栞を挟まない|よつばの読書ブログ

家族/村井 理子【レビュー】

★★★★

家族という集合体はなんて厄介なんだろう。

昭和のノスタルジー香る表紙のモノクロ写真。
この微笑ましい写真からは想像も付かない村井さん一家の凄絶な家族の歴史が綴られている。

父親と発達障害の様な特性を持つ兄との相容れない関係性が辛い。
我が子との約束より異性を優先し、本音が全く見えず曖昧な言動を繰り返す母親も嫌だ。

夫婦は他人でも子供にとって両親は絶対の信頼を寄せる対象。
兄妹はどんなにか苦しかった事だろう。

細くて浅いひび割れから大きく亀裂が入り壊れていく家族があまりにも切なかった。

四人其々の孤独が胸に迫って来る読後。




  • 人気のレビュー
  • 関連するレビュー

気軽にコメントどうぞ

*
*
* (公開されません)