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暗い引力/岩井 圭也【レビュー】

★★★★

「海の子」
「僕はエスパーじゃない」
「捏造カンパニー」
「極楽」
「蟻の牙」
「堕ちる」
6話収録の短編集。

それぞれ独立した作品だが、全編に共通して不穏な気配が漂っている。

人は誰でも嘘をつく。
ひとつの嘘が新たな嘘を呼び、はずみを付けながらどんどん悪い方へと転がりだす。
まさに暗い引力に導かれてでもいるように。

全話陰鬱で後味が悪いが、借金取りから逃げる為に逃走計画を立て認知症患者になり切る女性を描いた「極楽」はオチまで含め秀逸。

岩井圭也さんは長編も良いが短編も読ませてくれる。

嘘つき達のなれの果てを描いたダークな作品集。




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