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人魚の眠る家/東野 圭吾【レビュー】

★★★★

重いテーマでしたが家族の再生も描いた温かい作品でした。

シリーズ物ではない東野 圭吾さんの作品、期待して待っていました。

プールの事故により脳死状態となってしまった6歳の娘、瑞穂(みずほ)
その両親、播磨和昌(はりま かずまさ)と薫子(かおるこ)瑞穂の2つ下の弟、生人(いくと)この家族が軸となりストーリーが展開して行きます。

脳死、延命治療、臓器移植と重いテーマではありますが、物語の中には家族の葛藤や臓器移植ボランティアの活動、和昌が社長を務める会社の医療技術なども盛り込まれ
それぞれの角度からそれぞれの考えが丁寧に解りやすく描かれています。

途中、意外な展開に驚かされた「第4章 本を読みに来る人」
びっくりさせられた「第5章 この胸に刃を立てれば」での薫子の妹の娘、若葉の秘密など飽きさせない流れが続き、夢中で読みました。

常軌を逸していく薫子の行動に違和感を持つ場面もありましたが
母親目線で読めば共感出来る事柄も多かったです。

プロローグからエピローグへの繋がりは予想は付きましたが安心もさせられ重いテーマではあったけれど心地よい読後感でした。
東野さんらしい温かさと優しさは健在で読み応えのある作品でした。




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