★★★
猟奇的殺人犯でありながら逮捕直後の写真では、にこやかな笑みを浮かべる阿部定。
掴みどころのない阿部定が、村山由佳アレンジで令和に蘇る。
近所で評判の美少女は早熟で男好き。
殺害された石田吉蔵の妾の子である吉弥が、定と関わりのあった人物から集めた数々の証言から、彼女の実像が浮かび上がって来る。
吉蔵と出逢ってからの定の立ち振る舞いは目を見張る。
独占欲も執着心も包み隠さず、自らの欲望の赴くまま、狂ったように繰り返す性交。
吉蔵を殺害後に刻んだ「定」の名と、残した「定吉二人キリ」の血文字。
愛と狂気は表裏一体だと確信する。
はじめまして。
255文字で本の感想を書いています。
選書の参考になれば嬉しいです。
☆受賞歴☆
読書メーター×ダ・ヴィンチ 第5回 ベストレビュアー賞受賞 「僕が僕をやめる日」
読書メーター×ダ・ヴィンチ 第6回 優秀レビュアー賞受賞 「かがみの孤城」
読書メーター×ダ・ヴィンチ 第7回 ベストレビュアー賞受賞 「逆ソクラテス」
ブクログ BEST USER AWARD 2023 Silver賞