わたしは栞を挟まない|よつばの読書ブログ

リバー/奥田 英朗【レビュー】

★★★★

いつ終点へ辿り着く事が出来るのか、長く険しい川下りを終えた様な読後。

渡良瀬川の河川敷で相次いで発見された女性の死体。
奇しくも手口は未解決で終わった十年前の婦女暴行殺人事件と重なる。

物語は犯人を追う刑事、新聞記者、被害者遺族、犯罪心理学の准教授など多視点で進行していく。

早い段階で容疑者は三人に絞られるが、これといった決め手がなく、解決に至らない展開に焦燥感はどんどん増して行った。

犯人が明らかになっても動機は藪の中。

フラストレーションを感じはしたものの、事件に関わった者達の心情を緻密に描いた群像劇を堪能した。




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