★★★
冒頭、ボウル一杯のミックスナッツを無心に食べ続ける作家の妻、琉生(るい)の描写から物語はスタートする。
このシーンだけで、夫であり作家の埜渡徹也への鬱憤や溢れ出すストレスを感じる。
ところが琉生が食べていたのはナッツではなく植物の種で翌日には発芽してしまい、森へ姿を変え街まで浸蝕し始める。
突拍子もない話だがその根底には夫婦間、男女間の気持ちの相違や在り方が潜んでいて、それがリアルな感情と共に描かれ作者のメッセージとして伝わる。
抽象的な表現で理解し辛い所もあったが、頭で読み取ると言うよりも心で感じるような物語。

幼少期から本が大好きな四つ葉と申します。私と同じく本が好きな方々の参考になれば幸いです。SNSもフォローしてくださると嬉しいです。