わたしは栞を挟まない|よつばの読書ブログ

誰かがこの町で/佐野 広実【レビュー】

★★★

不穏さが漂うミステリー。

物語の舞台は郊外にある瀟洒な住宅街・美しが丘ニュータウン。

「安全で安心な町」をモットーにしているが、この町に住んでいいのは「きちんとした職業についている夫と二人以上の子供を専業主婦として育てている妻」。
こんな事が暗黙の了解で成り立っている時点で気持ち悪さが漂う。

この町で起きた誘拐殺人事件とそれに続く一家失踪。

まるで怪しい宗教に洗脳されたかの様に口を噤み100%の黒を白だと言い切る町民の同調圧力と自己保身には嫌気が差す。

おかしい事はおかしいと言える自分で有りたい。
良心を試される一冊。




  • 人気のレビュー
  • 関連するレビュー

気軽にコメントどうぞ

*
*
* (公開されません)