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事件は終わった/降田 天【レビュー】

★★★★

年の瀬も近い十二月二十日、『地下鉄S線内無差別殺傷事件』が発生した。

本作は、不運にもその場所に居合わせた人々の、その後の人生が描かれる。

事件が解明され、形として終わりを告げられても、事件を経験した人達に以前と同じ生活は戻らない。

事件が起きた瞬間の動画がSNSで拡散され、被害者でありながら、二次被害に苦しまなければならない現実に胸が痛む。

事件の辛い記憶と共に、彼らの人生は続いていく。

誰もが犯罪に巻き込まれる可能性は持っている。
当事者意識を持つ事の必要性を感じつつ、一筋の光が見える結末と彼らの再生に安堵した。




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