★★★
近藤史恵さんの長編小説です。
大学生の広太は小さな悪意から親友を死なせてしまいます。
実際手をかけたわけではないのに、それがきっかけとなりヤクザに脅されて薬の運び屋をやらされてしまう展開には少し無理があるような気がしました。
そしてここからは急に物語の色が変化して行きます。
平凡な大学生活から一転、極寒の北京で日本人留学生の鵜野と出会い、広大な中国西部を旅することに。
中国の描写はかなりリアルで息苦しい場面も多々あるけれど、文章の読みやすさと登場人物の描写が丁寧で一気に読めます。
ただタイトル「砂漠の悪魔」の意味がラスト近くにようやく判明されて、壮大なスケールを感じさせる割には、一番伝えたい事がぼやけてしまった感じも残りました。

幼少期から本が大好きなよつばと申します。私と同じく本が好きな方々の参考になれば幸いです。SNSもフォローしてくださると嬉しいです。