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花は散っても/坂井 希久子【レビュー】

★★★★

ドラマティック。
一本の映画を観終えた様な読後感。

この物語の主人公・美佐は谷中で着物のネットショップを切り盛りしている。
ある日、実家の蔵で、簞笥に仕舞われた銘仙、謎の写真、三冊のノートを見つける。

今は亡き祖母の咲子がしたためた手記から家族の歴史と秘密が紐解かれて行く。

祖母の咲子と、咲子が崇拝する龍子。
11歳で知り合い、戦禍を共に生き抜き、互いに一番大切な存在だと認め合いながらも、運命のいたずらで引き離されて行く二人がもどかしい。

様々な想いが交差するも、二人が辿った過去から現在に繋がる生き様に胸が熱くなった。




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