★★★
窪美澄さんの長編小説
舞台は近未来2030年の東京です。
窪さんの著書は何冊か読んでいますが今回はSF風な要素もあり新鮮さを感じました。
毎回タイトルも凝っていますが今回の「アカガミ」も赤紙=軍の召集令状を想像し、興味を惹かれました。
少子化問題を軸に2000年以降に生まれた若者たちが描かれています。
草食化が進み恋愛、結婚もしない、自殺者が増え平均寿命が40歳と言う設定です。
主人公は無作為に選ばれたミツキとサツキのカップル
少しづつ2人の距離が近づき、愛し合いそして出産に至りますが…。
終盤からドラマ化された「わたしを離さないで」にリンクする様な錯覚に陥りました。
国が立ち上げた「アカガミ」と言う制度にはほぼリアリティーはなく、結末も少し拍子抜けした感じが残り残念でした。
テーマや内容自体は面白いのでもっと深く掘り下げて欲しかったです。

はじめまして。
255文字で本の感想を書いています。
選書の参考になれば嬉しいです。
☆受賞歴☆
読書メーター×ダ・ヴィンチ 第5回 ベストレビュアー賞受賞 「僕が僕をやめる日」
読書メーター×ダ・ヴィンチ 第6回 優秀レビュアー賞受賞 「かがみの孤城」
読書メーター×ダ・ヴィンチ 第7回 ベストレビュアー賞受賞 「逆ソクラテス」