★★★★
野沢直子さんが描く人生再出発物語。
主人公の立花カオルはスーパーのレジで働く55歳の女性。
六畳一間の自宅とパート先を往復するだけの日々を送る。
同僚からは陰で「他にやることのない、みるからに孤独なデブのおばちゃん」と馬鹿にされ、嫌がらせも日常茶飯事。
死ねないから生きている、彼女の無気力と諦観はどこから来ているのか。
その背景が明らかになるとやるせない思いに駆られた。
ずっと灰色の世界で生きて来た彼女に訪れた偶然の再会はきっとご褒美だったんだろう。
全ての支配から脱出した彼女の未来がどうか明るい色で染まりますように。

幼少期から本が大好きなよつばと申します。私と同じく本が好きな方々の参考になれば幸いです。SNSもフォローしてくださると嬉しいです。