★★★
千早茜さんの長編小説
本を広げると前~後ろ表紙へと続く装丁がとても美しいです。
少年時代から綺麗な洋服が大好きで水色のワンピースを身に付けて同級生男子達に変な目で見られていた芳(かおる)
小学生時代に亀のタトゥーを入れた男に襲われ傷を持ったまま大人になった服の補修士 纏子(まきこ)
私設美術館に勤務する晶(あきら)
この3人が軸となり物語が展開して行きます。
18世紀から現代の服までの丁寧な描写が秀逸
洋服が大好きな人には堪らないと思います。
中盤まで物語は淡々と進んで行きますが、中盤以降、「クローゼット」が鍵となり少しづつ明らかになって行く秘密と共に、洋服の補修と心の補修が重なり温かい読後感となりました。
繊細で静謐で優しい物語。

幼少期から本が大好きなよつばと申します。私と同じく本が好きな方々の参考になれば幸いです。SNSもフォローしてくださると嬉しいです。