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清浄島/河﨑 秋子【レビュー】

★★★★

なんと言っても主人公の土橋義明が魅力的だ。

時は昭和29年初夏。
島の出身者から相次いで発見されたエキノコックス感染症を解明する為、北海道礼文島に赴任した土橋の生き様が描かれる。

救える命があるならば諦めてなるものか、その強い信念の元、未知の感染症に一人果敢に立ち向かう姿に感動する。

だがエキノコックス根絶の為に、上司から告げられたのは島で生きる全ての動物達の殺傷命令。
動物を愛する土橋にとって、どれ程の心痛を伴ったか想像に難くない。

時代が変わっても感染症との闘いは続く。

研究者への感謝と共に命の軽重が問われる読後。




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