★★★★★
二段組構成で445ページの長編だが、リーダビリティが高く一気読み。
前夫、庸介を海難事故で亡くした早樹、妻を亡くし相模湾を望む超高級分譲地「母衣山庭園住宅」で暮らす資産家の克典。
再婚者同士、穏やかに暮らしていた二人だったが、徐々に不穏の波が現れ、不吉な囁きが聴こえて来る。
前夫の母親、死んだはずの元夫、41歳の早樹と同年齢の兄嫁・優子、克典の娘・真矢、早樹の親友・美波、庸介の釣り部の仲間達、登場人物は一癖も二癖もあり心がざわつく。
ミステリー要素に人間の内に秘めた愛憎が加わり、久々濃厚な桐野作品を堪能した。
秀作。

幼少期から本が大好きな四つ葉と申します。私と同じく本が好きな方々の参考になれば幸いです。SNSもフォローしてくださると嬉しいです。