わたしは栞を挟まない|よつばの読書ブログ

発現/阿部 智里【レビュー】

★★★★

初読みの作家さん。

ホラーとは一言で言い表す事が出来ない、粘りつく様な恐ろしさを含んだ作品だった。

平成三十年と昭和四十年を交互に描き、終盤にはその血縁関係が全て明らかになる。

戦争と言う背景の中で究極の選択、苦渋の決断をしなければいけない兵士達
加害者でありながら被害者でもある。

そして、血縁である事が災いして心に秘めていた意識が遺伝として繋がって行く。

今までに読んだ事がない新しいジャンルで、そこにはやりきれなさや哀しみ、戦争が残した悲劇を感じた。

リーダビリティが高く、ぐいぐい引き込まれ一気に読めた作品。
次作も読んでみたい。




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