わたしは栞を挟まない|よつばの読書ブログ

喫茶とまり木で待ち合わせ/沖田 円【レビュー】

★★★★★

なんて気持ちの良い読後感。

0話「きみのとまり木」からスタートし、ゆるくリンクする5話収録の連作短編集。

登場人物は皆、私達のすぐそばにいそうな人達ばかり。

家庭より仕事を優先し、母親としての自分の存在に苦悩する女性。
趣味のアクセサリー作りを友達に言えない男子高生。
平凡な自分の生き方が嫌で、友人に理想を求める20代の事務員女子。
便利屋をしている兄の頼みで、特殊な依頼を引き受けた男性。

それぞれの心理描写が秀逸で、泣き顔から笑顔まで脳内で鮮やかに再現された。

疲れた心を優しく癒し、浄化してくれる止まり木のような物語。




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