わたしは栞を挟まない|よつばの読書ブログ

琥珀の夏/辻村 深月【レビュー】

★★★★

人間の未熟さと不完全さを肌で感じる作品だった。

幼等部から高等部までの子らが暮らす『ミライの学校』
この施設にカルト集団と呼ばれる程の毒々しさは感じない。
劣悪な環境だとも思えない。

ただ、日毎行われる『問答』
思考力を高める為と一見聞こえは良いが、大人の理想とする形に子供達を誘導する様はやはり洗脳だ。

幼少期に親と分断される子供達。
両親と暮らす事が絶対だとは思わないが、そこに姥捨て山を連想し寂しさは否めない。

自我を琥珀に封じ込めざるを得なかった子の心中を思うと切ない。
琥珀が砕け心が解放された瞬間、ようやく安堵する。




  • 人気のレビュー
  • 関連するレビュー

気軽にコメントどうぞ

*
*
* (公開されません)