★★★★★
かなり面白かったです!
登場人物の友彦・乙太郎・その娘のサヨとナオ、智子の人物描写が巧みで読み始めたら止まらなくなりました。
又それぞれの他人を想う故の優しい嘘・狡い嘘、幼い偽善等が入り乱れ、感情の揺れが手に取る様に伝わって来ました。
若さ故の過ちと言えど決して取り返すことのできない過ちを犯したと後悔する友彦、そして痛みを抱えたまま人生を過ごす人達
人であるが故の悲しさの様な物がひしひしと伝わって来て乙太郎の死には泣かされました。
最後ハッピーエンドになるのかと思いきや、ラストに想像していなかった事が起こり最後まで飽きる事もなく読み終えました。
サヨ、智子も怖さを潜んでいたけれどもしかして本当に怖いのは始終、優しさを携えていたナオだったのかもしれない…
それがたとえ他人を想う為の嘘だったとしても
「女って、1つじゃないのね」
智子がつぶやいていた言葉が伏線を表わしていたのかもしれない。

幼少期から本が大好きなよつばと申します。私と同じく本が好きな方々の参考になれば幸いです。SNSもフォローしてくださると嬉しいです。