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幽霊絵師火狂 筆のみが知る/近藤 史恵【レビュー】

★★★★

「座敷小町」「犬の絵」「荒波の帰路」「彫師の地獄」
「悲しまない男」「若衆刃傷」「夜鷹御前」「筆のみが知る」
8話収録の連作短編集。

時は明治。
大きな料理屋「しの田」のひとり娘・真阿と、この店の二階に居候する幽霊絵師・興四郎の物語。

普通の人には見えないものが見える興四郎が描く絵はどれも怖いものばかりだ。
真阿が見る不可思議な夢と興四郎や絵師達が描いた絵画がシンクロし、8つの謎が紐解かれていく。

憎しみや哀しみ、慈しみ、もうこの世に存在しない者達の様々な感情が行間から静かに漂う。

愛も憎も描きながら安らぎを感じる作品。




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