★★★
初めて手にする作家さんです。
タイトルと内容紹介に惹かれ読みましたがタイトルから想像していた物とは少し異なるイメージのミステリー要素が強い作品でした。
流産を繰り返した後で授かった一人息子 波琉(はる)
しかしその最愛の息子が池で溺死。
母親の知可子は息子を生み直す事を考え、実際息子と同じ誕生日に子供を出産
そしてその子(娘)に息子の名前に一文字を付け加え波琉子と命名します。
最初から病んでいる母親の姿が描き出され、重苦しい気分になります。
当然、兄の身代わりの様に育てられる子供が幸福になるわけはなく…
他の登場人物達も、母親からの歪んだ愛情を受けて育ち、救いのない描写に絶えずどんよりとさせられました。
事故による溺死で亡くなったと思っていた波琉
しかし真相は…。
物語終盤からミステリー要素が強くなり、頭を整理しながら読み進める事になりました。
読後感は切なさと息苦しさが残りました。
もう少し未来への光を感じたかったです。

幼少期から本が大好きなよつばと申します。私と同じく本が好きな方々の参考になれば幸いです。SNSもフォローしてくださると嬉しいです。