★★★★
今の世の中、生き辛さを感じていない人なんているんだろうか?
私も日々、何かしら生き辛さの種を拾っては、それを必死に消化していく事の繰り返しだ。
本作の主人公、小説家の妻と会社員の夫もご多分にもれず、仕事や日常生活で生じる雑多な出来事にもがき、苦しんでいる。
夫婦、親子、友人、様々な関係性が描かれるが、其々が発する言葉のキツさにたじろいでしまう。
あのピリピリとした独特な空気感はきっと誰もが一度は経験して来た事があるはずだ。
皆、自分とは違う人間。
全て分かり合える事はなくとも生き辛さを共有する事できっと生きていける。

幼少期から本が大好きなよつばと申します。私と同じく本が好きな方々の参考になれば幸いです。SNSもフォローしてくださると嬉しいです。