わたしは栞を挟まない|よつばの読書ブログ

ここはすべての夜明けまえ/間宮 改衣【レビュー】

★★★

第11回ハヤカワSFコンテスト特別賞受賞作品。

頁を捲ると、ひらがなでびっしりと埋められた文章、読点も殆どない。

更に苦手なSFという事もあり、最後まで読みきれるか一抹の不安が過ったが、読み進めるうちに、名前のない「わたし」の語りに惹き込まれた。

融合手術を受け、身体のほぼ全てがマシン化され、永遠に老化しないテクノロジーで25歳のまま100年生き続ける「わたし」。

SF設定でありながら、語られるのは、生きていく上で経験する幸不幸、愛情と搾取など人間に寄り添った内容だ。

哲学的な読み心地だが、私は人間賛歌だと感じた。




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