わたしは栞を挟まない|よつばの読書ブログ

副音声/大林 利江子【レビュー】

★★★★

心揺さぶられた。

読み進むに連れ心のコリがほぐれ温かさが満ちて来る。

とある事故がきっかけで視覚障がい者となった「彼女」と、大学デビューで失敗、その後弁護士試験に落ち続け引き籠り状態の「僕」。

厚生労働省から視覚障がい者を声で補助するモニターを依頼され、彼女の副音声の役割を担う事になった僕。
光を失った彼女と未来に希望が持てない僕の無機質な関係。

それが一つの視界を共有する事で風景に少しづつ色が付き始め、互いの心が共鳴し、心通わせていくさまに胸が熱くなる。

美しく咲き誇る桜と二人の笑顔が眼前に浮かぶような幸せな読後。




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