★★★★
地方の小さなクリニック・尾音産婦人科、通称オネエ産婦人科にはゲイの院長はじめ、男性として生まれたけれど心が女性の助産師や臨床心理士などいわゆるLGBTの人達が働いている。
冒頭から昭和のギャグ連発で個性豊かな登場人物達にコメディ作品かと思いつつ読み進めると、その奥に隠れていた重いテーマに気付き胸が苦しくなっていく。
辛い経験をして来たからこそ他人に本当の意味で寄り添える登場人物達の温かさが沁みる。
産後うつの苦しさに共感し、イクメン気取りの夫には心底腹が立ち、後半では感動が押し寄せる。
この作品に出逢えて良かったと思える幸せな読後感。

幼少期から本が大好きなよつばと申します。私と同じく本が好きな方々の参考になれば幸いです。SNSもフォローしてくださると嬉しいです。