わたしは栞を挟まない|よつばの読書ブログ

fishy/金原 ひとみ【レビュー】

★★★★★

タイトルの『fishy』は「怪しい・いかがわしい」を意味する。

気が置けない友人同士であっても自分の100%を曝け出す人はいない。
作中に登場する三人の女性達も明け透けに語っているようで心の奥底にひた隠しにしているものがある。

「人が三人集まると邪悪な社会が出来る、友達だと思った事はない」と言い切るユリから発せられる言葉の数々は二人を目の前にしても辛辣で残酷で非情だ。

登場人物の言葉を通し作者の生への執着が過酷さと混然一体となり伝わって来てこの世の諸行無常を痛感する。

軽い気持ちで手に取ると、その破壊力に遣られる。




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