わたしは栞を挟まない|よつばの読書ブログ

ひとっこひとり/東 直子【レビュー】

★★★

三好愛さんのホワンとした装画が堪らなく可愛い。

誰もが日常で交わす「ごめん」「なんで?」「ありがとうね」等の何気ない言葉をモチーフに、人生のひとコマを切り取った12話収録の短編集。

装丁のイメージ通り柔らかで優しい言葉が心にスルリと沁み込んで来る。

どの物語も脳内に情景が浮かんで味わい深いけれど、特に印象に残ったのは、父子家庭で暮らす高校生の娘と父親の姿を描いた『もういいよ』。

寂しさが伝染して来る『待ってた』『きれい』。

現代人が抱える孤独に寄り添い、温かな言葉で人生にほんのりと灯りをともしてくれる癒しの作品集。




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