★★★★
藤崎さんに完敗!
物語は、抜群の美貌を持つゆえに幼少期から犯罪やいじめの被害に遭って来たシングルマザーの香織(仮名)の『手記』と、香織の娘の『追記』で構成されている。
手記では時系列に沿って香織に起きた様々な不幸が延々と描かれる。
ルッキズム(外見重視主義)に物申す社会派小説かと思いきや、追記でそれまでの感情が次々と覆されていく。
どんでんに次ぐどんでん。
社会派どころか完全にドス黒ミステリー。
この家族の秘密に驚愕する間もなく、作者が施した壮大なトリックに舌を巻く。
よくぞここまで手の込んだ仕掛けを。
見事な大逆転だ。

はじめまして。
255文字で本の感想を書いています。
選書の参考になれば嬉しいです。
☆受賞歴☆
読書メーター×ダ・ヴィンチ 第5回 ベストレビュアー賞受賞 「僕が僕をやめる日」
読書メーター×ダ・ヴィンチ 第6回 優秀レビュアー賞受賞 「かがみの孤城」
読書メーター×ダ・ヴィンチ 第7回 ベストレビュアー賞受賞 「逆ソクラテス」