★★★★★
辻村 深月さん 初読みです。
「ナベちゃんのヨメ」「パッとしない子」「ママ・はは」「早穂とゆかり」の
4篇収録の短編集
タイトル通り、4篇を通して「噛み合わない会話」がイヤな感じで出て来ます。
そしてその原因は全て「ある過去」の出来事とリンクしています。
悪気がなく何の気なしに発した言葉、心の中に狡猾さや毒を持って発した含みのある言葉、言う方と言われた方、それぞれの思惑がヒリヒリと痛いくらいに心に刺さって来る。
人間関係に不可欠な「言葉」だったり行動が、時を経て自分に戻って来る様はまさに因果応報。
読みながら、自分の子供時代からの事を思い出し、自分は誰かに嫌な思いを残していないだろうかと落ち着かない気持ちになりました。
ずっと秘められていた恨みが、表面化する時のなんとも言えない恐ろしさにゾッとさせられた切れ味鋭い短編集。

幼少期から本が大好きなよつばと申します。私と同じく本が好きな方々の参考になれば幸いです。SNSもフォローしてくださると嬉しいです。