わたしは栞を挟まない|よつばの読書ブログ

涙をなくした君に/藤野 恵美【レビュー】

★★★

終始、どんよりとした空気が漂う作品。

主人公は両親の愛情を享受出来なかった記憶に縛られ自らカウンセラーとして働く宮沢橙子。
テニスインストラクターの夫・律と結婚し、小学一年生の一人息子・蓮と3人で暮らしている。

穏やかな生活を送りながらも過去の記憶に囚われ足掻く橙子。

外面だけ良く、家庭内で妻や娘にDVを繰り返す橙子の父親には軽蔑と嫌悪しかない。

母親や妹に身勝手さを感じるも実際経験した人でしか解らない感情があるだろうし父親を見限る態度を否定出来ない。

血が繋がっているからこそ許せない親子関係もある。

血縁の闇は深い。




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