★★★★
警察内部の犯罪を追う検察官の物語です。
「1 禁猟区」 「2 免疫力」「3 秋霖」「 4 見つめないで」の4話で構成された連作集
今回の内容は、警察内部の犯罪を追う、通常はあくまでも陰の存在である監察官のお話です。
仕事内容から察するにかなりの嫌われ役です。
まずこの題材で小説を書こうとする乃南さんの目の付け所が面白いと思いました。
次々と目新しい題材で、そしてきっと緻密な取材を得て書かれたであろう事が推測される丁寧なわかりやすい文章。
ともすれば固くなりがちな題材ですが、登場人物の描写が素晴らしく最後まで面白く読めました。
個人的には昔読んだかなり分厚い「風紋」がとても心に残っていますが、ずっと上質な作品を描かれていて今後も楽しみです。

幼少期から本が大好きなよつばと申します。私と同じく本が好きな方々の参考になれば幸いです。SNSもフォローしてくださると嬉しいです。