わたしは栞を挟まない|よつばの読書ブログ

血も涙もある/山田 詠美【レビュー】

★★★

「私の趣味は人の夫を寝盗ることです」
衝撃的な書き出しで始まるこの物語、さぞやシリアスでスリリングな展開と思いきや終始コミカル。

有名料理研究家で50歳の喜久江、10歳年下の夫・太郎、夫の恋人で35歳の桃子、3人の独白が交互に描かれる。

ドロドロ感は皆無、3人の本音丸出し小説と言った体で、そのセリフ回しは喜劇の舞台を見ている様。

ほぼヒモ状態で調子の良い夫、罪悪感がなく喜久江の助手をしながら堂々と不倫を続ける桃子、それに気付き悶々としながら見て見ぬフリを続ける喜久江。

共感もトキメキもないが、新感覚の笑える不倫小説。




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