★★★
「無意識は別の顔」「正しきものは自白する」「痴漢事件とヒラメ裁判官」「罪に降る雪」
4話収録の連作短編集。
冤罪がテーマと言う事で重厚なミステリーを期待していたけれど、それぞれの疑いを晴らして行く主人公が大学生という設定のせいもあり、青春ミステリーの体で軽さが否めなかった。
ちょっとしたトリックもあるが、大体予想の範囲内。
また冤罪になった人達の心理描写が少ない事で、感情が揺れ動く事もなく淡々とした印象を受けた。
ただ冤罪は誰にでも起こり得る事であり、生まれる背景には曖昧な記憶や作為的な物が潜んでいる事に恐ろしさを感じた。

幼少期から本が大好きな四つ葉と申します。私と同じく本が好きな方々の参考になれば幸いです。SNSもフォローしてくださると嬉しいです。