★★★★★
「毒」の多い作品が多い著者ですが本作はどこにでもいそうな主婦が主人公。
日常生活で満たされぬ思い、一番理解して欲しい家族に理解されない葛藤などが丁寧な描写で描かれています。
自分の誕生日に車もろとも家出をする主人公朋美にかなり感情移入しながら最後まで一気に読みました。
夫、2人の息子、途中から登場する老人
全員が終始脳内映像で動いていました。
ストーリー的には納得出来ない場面も少しありましたが(亀田の真意、ころころ変化する息子の言動など)
それを持ってしても、人間の不可思議な面と捉えたら納得出来る様な気がします。
「OUT」の様なブラックな内容を読みたい方にはもの足りなさが残るかも知れませんが私的には日常の些細な場面にこそ毒が潜んでいると思うので満足出来る作品でした。

幼少期から本が大好きなよつばと申します。私と同じく本が好きな方々の参考になれば幸いです。SNSもフォローしてくださると嬉しいです。