★★★
欠かさず読んでいる桐野夏生さんの作品です。
「IN」や「東京島」辺りから少しづつ作風が変化して来たかなと感じつつ、そしてこの作品でもそれは感じました。
装丁や各章の間に出て来るイラストも(え?これが桐野さんの作品?」と思える様な劇画チックな物。(注:単行本)
近未来の小説なので挿画・挿絵にスカイエマさんを選択されたであろう事は想像しましたが、今までの作品とはあまりにも違うので驚きでした。
内容は近未来の渋谷でしたたかに生き抜くホームレスの少年・イオンを中心に物語は展開して行きます。
地下のシーンが多いので脳内映像だけで息苦しくなる様な展開です。
それでも文章も丁寧で想定もわかりやすいので飽きる事無く読み進める事が出来ました。
本著は好き嫌いに分かれるかと思いますが桐野さんの新たな一面を発見出来る作品となっています。
結構若い世代の方に受け入れられる様なストーリーだと感じました。

幼少期から本が大好きなよつばと申します。私と同じく本が好きな方々の参考になれば幸いです。SNSもフォローしてくださると嬉しいです。