★★★★★
世の中、お金が全てとは思わない。
けれど本作を読むと、お金がどれほど人の人生を左右するのか思い知らされる。
600頁の長編は、まるでノンフィクションのような人物描写と凄まじさでこちらに迫って来る。
生きていく上で必要な常識も知識もなく、親にも頼れない10代の少女達が、いともたやすく犯罪に手を染め堕ちていく。
金運アップカラーとされる黄色に執着し、ひたすら人生の好転を願う少女が不憫だ。
金に支配され物事の善悪すら判断出来なくなり、大切な物を失っていくさまはあまりにも悲しい。
社会の闇に鋭く切り込んだ圧巻のノワール小説。

幼少期から本が大好きなよつばと申します。私と同じく本が好きな方々の参考になれば幸いです。SNSもフォローしてくださると嬉しいです。