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絶唱/湊 かなえ【レビュー】

★★★★

「楽園」「約束」「太陽」「絶唱」の4編が収録された連作短編集です。

今回の物語も前作の「物語のおわり」の様に各短編がリンクしていて湊さん独特の「毒」は入っていません。

南太平洋の国、トンガを舞台にして阪神淡路大震災を経験した人々が描かれていて事実を交えながらのフィクションになっています。

それぞれの主人公の葛藤が丁寧な心理描写で綴られ又今回は宗教に纏わる死生観も描かれており色々と考えさせられました。

湊さんの「毒」を求めて読まれると物足りないかと思いますが事実を交えて書いてある事で深いストーリーになっています。

初版発行日が2015年1月17日、阪神淡路大震災から20年という節目の日になっている所に著者の拘りが感じられました。

心温まる読後感の良い作品集です。




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