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カレーの時間/寺地 はるな【レビュー】

★★★★

まろやかさの中にピリリとスパイスが効いた家族小説。

小山田義景、83歳。
貧しい幼少期を過ごした義景だが、現在は頑固な性格が災いし、三人の娘達に疎まれ一人ゴミ屋敷のような家で生活する。

その家で同居する事になった孫息子・桐矢。

物語は終戦後と現在、二つの時代を行き来しながら展開する。

男尊女卑を絵に描いた様な義景が嫌で堪らない。
悪意がないだけに余計たちが悪い。
けれどそんな彼が隠し続けて来た秘密を知ると胸の中がほんのり温かくなる。

例え家族であっても互いを分かり合える事は難しい。

悩める人達を肯定する優しさに満ちた作品。




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