わたしは栞を挟まない|よつばの読書ブログ

母影/尾崎 世界観【レビュー】

★★★

奇妙な世界観。

一行目で「大人」の私は気付いてしまう。
やわらかいカーテンの向こうで繰り広げられる行為が何を意味するのか。

物語は最初から最後まで小学生の少女の視点と核心を突いた言葉で展開する。

街中に貼られている「いけやまよしひろ」の選挙ポスターに目を止める感覚に子供らしいおかしみを感じる。
一方で胸糞悪い担任、容赦ない言葉で罵る同級生、意地悪なマッサージ店オーナーのおばあちゃんには感情を乱されず冷静でその感性のギャップに怖くなる。

カーテン越しに揺らめく母の影に不快さを察しながらも愛情を注ぐ少女の純真さが印象的。




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