★★★★
2008年に発売された「カラスの親指」の続編。
時々、前作を彷彿とさせる場面も出て来るが、前作未読の私でも十分に堪能出来た。
物語の至る所に張り巡らされた数々のトリックと嘘。
素直に読み進めて行くと何度も何度も騙されるが、それが楽しくて堪らない。
詐欺グループには嫌悪の一言だけれど主人公・武沢竹夫を始めとする仲間たちの嘘には温かさを感じて胸が熱くなる。
物語の要は集団詐欺グループとの攻防戦であっても、随所に相手を思い遣る気持ちを感じ、深い人間ドラマを存分に味わう事が出来た。
そして今回も道尾さんの手腕には驚くばかり。

幼少期から本が大好きなよつばと申します。私と同じく本が好きな方々の参考になれば幸いです。SNSもフォローしてくださると嬉しいです。