★★★
旧約聖書『創世記』第4章に登場し、人類最初の殺人の加害者・被害者とされている兄弟「カインとアベル」をモチーフとした芸術ミステリー。
主人公、HHカンパニーのダンサー、30歳の藤谷誠と父親が異なる4つ年下の弟、豪。
この兄弟に起きた過去の事故に、女達との愛憎を絡めながら物語は進行する。
文中からは、芸術に身を捧げた人達のピリピリと張りつめた空気が絶えず漂って来る。
視点がコロコロ変わるので、人物相関図を脳内で描きながら読み進めた。
芸術を極めたいが故の、常軌を逸した行動に恐ろしさを感じると共に、溢れ出す激情を感じた。
はじめまして。
255文字で本の感想を書いています。
選書の参考になれば嬉しいです。
☆受賞歴☆
読書メーター×ダ・ヴィンチ 第5回 ベストレビュアー賞受賞 「僕が僕をやめる日」
読書メーター×ダ・ヴィンチ 第6回 優秀レビュアー賞受賞 「かがみの孤城」
読書メーター×ダ・ヴィンチ 第7回 ベストレビュアー賞受賞 「逆ソクラテス」
ブクログ BEST USER AWARD 2023 Silver賞