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カインは言わなかった/芦沢 央【レビュー】

★★★

旧約聖書『創世記』第4章に登場し、人類最初の殺人の加害者・被害者とされている兄弟「カインとアベル」をモチーフとした芸術ミステリー。

主人公、HHカンパニーのダンサー、30歳の藤谷誠と父親が異なる4つ年下の弟、豪。
この兄弟に起きた過去の事故に、女達との愛憎を絡めながら物語は進行する。

文中からは、芸術に身を捧げた人達のピリピリと張りつめた空気が絶えず漂って来る。

視点がコロコロ変わるので、人物相関図を脳内で描きながら読み進めた。

芸術を極めたいが故の、常軌を逸した行動に恐ろしさを感じると共に、溢れ出す激情を感じた。




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