★★★★
『事実は小説よりも奇なり』のことわざを嚙みしめながら読み終えた。
井上荒野さんのお母様と父親の井上光晴氏、そして瀬戸内寂聴さんとの性愛が絡んだ三人の特別な関係が微細に丁寧に綴られている。
寂聴さんの不倫の件は以前から存じ上げていたが、そのお相手が井上荒野さんの父親であった事は本作で初めて知った。
一つ間違えばスキャンダラスな暴露本になりかねない内容なのに、井上さんに掛かれば不思議と静謐な雰囲気で温かみすら感じる。
愛の形は様々だがこういう不思議な愛も又存在するのか。
この作品を認め素直に感動する寂聴さんの逞しさに驚く。
はじめまして。
255文字で本の感想を書いています。
選書の参考になれば嬉しいです。
☆受賞歴☆
読書メーター×ダ・ヴィンチ 第5回 ベストレビュアー賞受賞 「僕が僕をやめる日」
読書メーター×ダ・ヴィンチ 第6回 優秀レビュアー賞受賞 「かがみの孤城」
読書メーター×ダ・ヴィンチ 第7回 ベストレビュアー賞受賞 「逆ソクラテス」
ブクログ BEST USER AWARD 2023 Silver賞